ボジョレーヌーボーが日本に紹介されてブームになったのは1980年代のこと。お祭り騒ぎが注目されがちでしたが、近年は行事としてもそろそろ落ち着いてきた感があります。
そんなボジョレーヌーボーで、まず思い浮かべるのが「解禁日」。これ、もちろん初めから存在していたわけではありません。
「ボジョレーヌーボー」というのは、フランスのブルゴーニュ地方にあるボジョレー地区で作られた赤ワインの新酒のことを言います。そして19世紀ごろには、収穫したブドウを短期間で仕上げて早飲みする習慣が生まれたようです。
ところが販売競争の過熱から出荷時期の前倒しが年々激しくなり、ワインとして成熟する前に市場に出回るという事態に至りました。
このことから、ワインの品質を重視し、法律としてブドウの収穫時期や新酒の販売日が「解禁日」として設けられるようになったのです。現在はこうした解禁日を踏まえ、作り込んだワイン造りが工夫されています。
ワインの品質を重視することで生まれた解禁日ですが、こうした解禁日の存在がかえって宣伝効果となり、ボジョレーヌーボーを世界的に有名なワインにしていきました。
解禁日が設定された初期のころは11月15日と固定日でしたが、組み合わせによっては日曜日と重なり、販売のチャンスに遅れが出るということで、輸出の規模が大きくなった1960年代後半からは11月の第3木曜日と決められています。
日本の場合、早期予約受付が本当に早く、気の早いところでは8月下旬から9月上旬には受け付ける所が現れるようです。 |