夏はひんやりと、冬はあたたかさを保ってくれる畳。その秘密は、畳が大量の空気を含んでいることにあります。
これは、い草の内部に無数の気孔があり、スポンジのような構造をしているからです。畳の場合は、畳床に使用している稲わらがスポンジ状になっているので、さらに大きな空気の層を持っています。
空気は熱を伝えにくい性質があるため、その塊と言える畳は夏の熱気を防ぎ、冬の寒気から私たちを守ってくれる働きがあるのです。
こうしたスポンジ状の構造は、部屋の湿気を吸収し、空気が乾燥してくるとためていた湿気を放湿する働きもあるので、室内の湿度を快適に調節してくれるというメリットもあります。
熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会「たたみのちから」によると、い草畳表+わら床の6畳間で約3リットルの吸湿能力があると言われているそうですよ。
い草製品は、まさに天然のエアコン機能を持ったエコ製品と言えるのです。
近年の夏は、エアコンが手放せないような猛暑、酷暑が続くことが増えましたが、こうした昔ながらの知恵もうまく活用していきたいものです。 |