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山崎蒸留所 工場見学3

サントリートピックスのブロガーイベントの中で開催された工場見学のもようです。このページでは蒸留に関してまとめています。
貯蔵

貯蔵庫, 山崎蒸留所
最後に見せて頂いたのはこちら。

やっぱりウイスキーを頭の中でイメージすると、真っ先にこの光景が浮かびますよね。貯蔵庫の熟成工程(Maturation)です。


似たようなものが並んでいるように見えますが、これも種類があるんですよ。山崎では5種類の樽を使い分けているそうです。

■バーレル(Barrel)
容量180リットル。内側を強く焼き、バーボンの熟成に1度使用したもので、昔からウイスキーの貯蔵樽として使われてきた種類。上品な気の香りが特徴の原酒を育みます。

5種類の樽を並べたところ 形も大きさも様々

■ホッグスヘッド(Hogshead)
容量230リットル。バーレルを一旦解体した側板を活用し、大きな鏡板を使った樽。豚の頭に似た形であることからこの名前が付いたそうです。バニラのような甘い芳香をもつ華やかな原酒を育みます。

■シェリーバット(Sherry butt)
容量480リットル。シェリー酒の貯蔵に使われた樽。赤みのある色合いと深みのある独特の熟成香を持つ原酒を育みます。

■和樽(Cask made of Japanese oak)
容量480リットル。北海道産のミズナラで作られた樽。世界的に見てもサントリーだけが使用しているそうです。長期貯蔵でお香の伽羅とも百段の香りともたとえられる香りの原酒を育みます。

■パンチョン(Puncheon)
容量480リットル。北米産のホワイトオークの柾目板のみを厳選し、サントリーの工場で作っています。すっきりとした木香の原酒を育みます。

側板を組み立てるには両側がすぼまるよう形作らなくてはいけないため、熟練の技が必要です。他に鏡板、樽の隙間をふさぐガマの茎。 樽の内側は焼いて焦げ目をつけます。焼き加減一つで味わいにも響く、これまた繊細な作業です。

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天使の分け前

右は4年目、左は12年目の樽
樽の隙間にはガマの茎が詰めてあるとはいえ、ウイスキーを貯蔵していると年間12%ほど減ってしまうものなのだそうで、これを「天使の分け前」と言い表したりします。

これがもったいないと、樽ごと覆ってしまった職人さんがいたそうですが、そうすると、おいしいウイスキーにはならなかったそうです。

呼吸することが大事なんですね。

蒸発して減っていくものがあれば、樽の中に入っていくものもあるわけで、霧の巻く山崎の空気を呼吸してこその山崎のウイスキーなのかもしれないという言葉が印象的でした。

ちなみに、海のそばにある海外の蒸留所ではウイスキーも磯の香りがするそうですよ。

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